学期休みやることもないので、一人でヒッチハイクしてワイカレモアナまで行ってきました。タイムリミットもあって、計画もそんなに入念に立てなかった、行き当たりばったりに頼った初めてのヒッチハイク。ちょっと不安にもなったけど、全体的には星三つ。 まず、初日、7時間かかってワイカレモアナに到着。一日で着けると思ってなかったです、正直。でも変なところでヒッチ降ろされて、引くにも引けない状態になってしまって…あんな危なそうな町でヒッチハイク捕まって、しかも家にまで泊まらせてもらえたとかラッキーすぎました。最高の家族でした。昔パーマーストンノースに住んでいたことがあったらしくて、どこ住んでたんですか?って聞いたら、わしが前に住んでた家だったんです(笑) いやー、世界まじで狭い! そんでそのおうちで一晩お世話になりまして、ワイカレモアナのトレイルに出発。冬だから雪が積もってるかもしれない不安もあったけど、天気にも見舞われて結構調子よく歩けました(走れました)。そう、体の調子がすごくよくって、36キロぐらい初日に歩けました。本当は最後のハットまで行きたかったし、絶対行けたけど、冬は暗くなるのが早くて4時半で薄暗くなってきてたから諦めました。 そこで4人のハイカーと出会いました。オポトゥネ(Opotune)駐車場から最初のパナキリ(Panakiri)ハットまで2時間で着いたって言ったら「そりゃあ、だれもあんたとは山に行きたがらないわけだ、ワハハハ」と返されました。まあそうですね。でも、トレバーはこの52キロを13時間でやったんですよ。「まあ、もう20年ぐらい前の話だけれども」って言ってたけど、いまトレバーは70歳だから、それでも50歳とかなわけ。悔しいやん…ふつうに。次はわしも一日で突破する。打倒トレバー。 次の日は若干天気が悪くって、小雨に降られました。最後のハットに着いてゆっくり昼食を取り、最後の橋を渡り道路まで生還。 しかしここからが問題。なんにも考えていなかったけど、実はここはワイカレモアナの反対側で、オポトゥネから60キロぐらいある。ほかのハイカーたちは60ドル(5000円ぐらい)とか払ってシャトルバスで駐車場まで戻るらしいのだけれど、わしにはそんな金はない。まじで払いたくない。なにがなんでも、ここはヒッチハイクで帰りたいととりあえず道路を歩き始める。山の中なら何十キロでも歩けるのに、コンクリートとなれば話は別。6キロぐらい歩いてもう嫌になる。くそやろうって心の中で思いながらテクテク歩く。途中であのシャトルバスが迎えに行くところに遭遇。もう一度いくらか尋ねてみるとやはり60ドル。交渉してみたけど、それでも50ドルだと。馬鹿じゃねえの。 それでも諦めずくよくよしながら歩き続けると、後ろから聞こえてくるエンジン音。きたー、ヒッチハイクの女神がほほ笑んだー!後ろを振りかえり、左腕をいっぱいいっぱい伸ばし、右腕を腰に堂々と仁王立ち。こうなったら、ドライバーはもうこの可哀そうな雨に濡れているヒッチハイカーを乗せないわけにはいかない。思惑通り、乗せてもらえました。ドライバーはタウランガまで狩猟に行っていたハンターでした。一週間ほど行っていたらしく、奥さんが待つワイロア(Wairoa)に帰る途中だった。後部座席には素敵な花や森の植物も並んでいる。用途を聞くと、奥さんが花が好きでデコレーションするから山で取ってきたのだそう。ぶっきらぼうなしゃべり方で全然ニコっともしなかったのに、このときだけははにかんでちょっと嬉しそうにするんです。照れてやんの~。こういうのって歳なんか関係なくいいものですね。 初日にお世話になったおうちまで降ろしてもらい、御礼を言いました。いつかこのヒッチハイク運も底を着きそう。 晩御飯もまたおうちでごちそうになりました。わしはベジタリアン(菜食主義)で肉は食べないんですが、このときはわざわざ卸したてのソーセージを料理してくれたし、その鹿と猪肉のミックスは山の狩猟で手に入れたものだったので、ありがたく頂きました。わしがベジタリアンである大きな理由は、今の食肉産業(ビーフ、チキン、ポークなどすべて)が動物をひどい環境で育てて、命を命として扱っていないことに賛同できないしそれに加担したくないからということです。狩猟はその点はクリアしていると考えています。それにニュージーランドでは鹿や猪は害獣として扱われていて、ただ環境保護のためだけに彼らを殺すんじゃなくて、私たちが彼らを食べ、生きる目的としても殺すのなら、その肉は食べてもいいという選択も時にはありかと思います。 次の日はワイロアまで仕事に行く車に乗せてもらい、お別れになりました。来た時は7台の車で7時間もかかったのに、帰りは5台5時間で帰れました。家に帰ってもだれもおらずめっちゃ退屈でした。いい旅でした。
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